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へんなあんな 2

代役が効かない事など無い。

そんなの至極当然なのだけれど

どれだけ想いを込めて仕事をしても

私の代わりが居る。

日々の疲れの要因は

小さいも大きいも

様々だが

辿り着く一番の不満要素はソレだった。

その事実に焦点を当て過ぎて

不健全な考えが沈澱する度

寝て忘れたり

趣味に没頭したり

身体を動かして蹴散らすのだけど

掃き出し切れないヘドロは積もり

この瞬間

突然、決壊した

『誰がダメだと決めたの?』

暗く厳かな声を皮切りに

継ぎ接ぎだらけの堤防は脆く崩れ

濁流は止まらなかった

轟々と身体を巡る流れが

私の何不自由無い平凡な暮らしから

嘘の色を剥がして行く。

バックヤードの鏡に映る

固定された上向きの口角に吐き気を覚えるが

それらを悟られないよう

仕事を終わらし

帰宅の勢いそのままクローゼットに向かった。

色褪せた” 目立たない ” だけで選んだ服を

ハンガーごと

背を低く見せようと選んだ靴を

バンバンとゴミ袋に投げ込む。

満杯の45リットル袋が4つできた。

ふと

視界が拓けたクローゼットの奥に

GUCCIの分厚い紙袋を見つける。

『懐かしいねぇ笑』 

鳥肌が立つ腕でその袋を開けた

次の瞬間

黒いエナメルのボンデージと

大好きだったルブタンを身に着けた

鏡の中の ” 私 “が言った

『もういいんじゃない?楽になろうよ?』

氷のように澄んだ満面の笑みを浮かべながら

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思考を進める必要があった

誰かに求めることは惰性だった

抑圧した意識下に答えが眠っていた。

私がわたしを受け入れていないから

他人にその捌け口を見つけようとしていたのだ

私である必要性を

わたしが否定して来たせいで。

このまま誰かのせいにして

死ぬくらいなら

受け入れてもう一度生きてみてもいいのでは?

たかが性癖で大袈裟な。と

所詮、クラブの女王様は風俗風情だ。と

馬鹿にされようとも構わない。

言いたい人には言わせれば良いし

他人の機微が理解できない人に用は無い。

何より、心から笑いたい。

あの頃はそんな良い思い出もあったはずだ。

世間体を据えた造り笑顔では無く

変てこなことでお腹を抱えて

心から笑って過ごしたい。

『その通り。

良い子の側面だけでは

私はわたしを謳歌できないのだから。

同じ身体を共有して

仲良くしましょう。』

そう。対価があれば

それ以上、何も返って来なくとも

私独り生活できる。

それに、あの場所に居れば

私は他の誰でも無い

わたしを私として認めることができるから。

それでじゅうぶん、満たされる。

あわよくば

「私でなくては意味が無い」

そう言ってくれる子達に再び出逢えたなら

愛を分け、寄り添いたい。

変態な部分も普通な部分も

自分で自分を満たして余ったところから、、

普通だけではない

私は変でもあるのだ。

✳︎

こうして私は

巡り巡って、もう一度

自分の変な部分が

長所として輝ける場所へと戻ったのでした。

普通であろう、と普通でない部分を

抑圧して来たからこそ

変態で悩む葛藤が理解できる。

そもそも、理解なんてしなくても

良いのかもしれませんが、、

この温存期間を経て

私自身の懐はだいぶ拡がったので

そこに魅力を感じてくれたのなら

君はとってもセンスが良いよ 笑

 おしまい。

INTENSE ANNA 

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